ひこにーのホルン

大学生ホルン吹きの気づき集

オーケストラのパートを演奏する際に気を付けるべきこと

  • 小節線はハードルと同じ。越えるときは必ずその直前にエネルギーを持たなければならない。自然とわずかにテンポは遅くなり、音は大きくなる。(4拍目のエネルギーなど)
  • Air-Leading。フレーズを作るときは、必ず息が先行する。例えば大きな跳躍の直前には必ず息の量の膨らみが生じる。自然と音楽的な表現になる。
  • direction。フレーズを作るときは、必ず曲のどこに向かって演奏しているのか意識しなければならない。それはフレーズの終わりであったり、何らかのクライマックスであったりすることが多い。
  • ritをかけるときは、遅くなるテンポとは裏腹にカウントを細かくすると間延びすることなく音楽を作ることができる。
  • 重要な旋律には必ずブレス位置をメモしておくこと。本番で緊張するとブレス位置がずれ、音楽が崩壊することがある。

結局基礎練はどう組み立てればよいのか?(タンギング/リップスラー編)

前回のロングトーンに引き続き、ここではタンギングリップスラーについての基本的な概念をまとめます。

タンギング

ロングトーンと同様に、普通に吹く際にどれだけ脱力できるかが全ての基本。アタックは出来る限りニュートラルに、息が流れている状態で切れるようにする。 まずは同じ音でのタンギングでこのことに気をつけてできるだけ滑らかに音が切れるように練習する。同じ音でのタンギングができたら半音や全音での移り変わり、それができたら3度や5度での移り変わりでも滑らかに切る練習をする。

スラー(リップスラー

タンギングではさほど意識しないことだが、音の跳躍は連続的なアンブシュアと息の変化によってなされる。ここで離散的な動きになると脱力が徹底できず、音が切れ目なく流れなくなってしまう。 まずはポルタメントで音を変えてみる。マウスピースでやるのが最も簡単で、最初のステップとしては効率的である。音をニュルッと変えていくイメージ。決して急に、雑に跳躍しない。 隣り合わない2音、例えば5度などの跳躍でも、基本的に最初は間の倍音を交えてポルタメントアルペジオ状に上下する練習を行う。全ての音を綺麗に移行できていると感じたら音価を半分にしてより実際の「間の音がない」跳躍に近づける。

勧めたい教本

成功する音楽家の新習慣

練習の組み立て方についての知見を大いに得ることができる。

朝練ホルン

基礎練のレパートリーを増やすことができる。音域が低めなので適宜Alto in Bで読み変えるとよい。

Getchel/ First Book of Practical Studies

エチュードを初級レベルから学べる。一般的なホルンむけのエチュードは難易度が高すぎるためこの本から始めるのがよい。

結局基礎練はどう組み立てればよいのか?(ロングトーン編)

はじめに

中高とホルンを吹いてきた人は、プロの指導を恒常的に受けていないとすぐに間違った方向性で練習を進めてしまうことがとても多いです。この記事では、ホルン練習の最も基本的な部分=基礎練について書きます。

ロングトーン

全ての基礎です。修行僧の瞑想のように、自然に洗練された方法で練習する必要があります。

最も意識を集中するのは、腹式呼吸、より正確には「腹圧」と呼ばれる概念です。 「腹圧」とは腹式呼吸により息を吐くとき、すなわちお腹が凹むのではなく膨らむとき、腹筋に力が込められる状態を指します。 ホルンの演奏において力を「込めて」よいのは基本的にここだけと考えて差し支えありません。

腹圧と同じくらい重要な考え方が「腹圧以外の体の力を抜く」、すなわち脱力です。体のどこでも構いませんので「楽にする」ということを意識します。

ロングトーンを行うときは腹圧を高めながら音をまっすぐ伸ばします。音は自分が最も楽に吹ける音にしましょう。音量は大きめと出来る限り大きめを交互に行うと効果的です。拍はBPM70程度で4〜8拍と比較的短めにします。 数回同じ音を繰り返し、繰り返すたびに自分の体から力が抜けるようにします。

このとき、腹圧は高まり、体の硬さが取れることから音は自然と大きく、響きのある音色に変わっていきます。

3~4回同じ音でのロングトーンを繰り返し、十分に脱力できていると感じたら、半音ずつ上がっていきます。数回音を繰り返しても力が入っていてつらいと感じたらその時点で上方向のロングトーンは終了です。

高音域の練習が十分にできず不満に思うかもしれませんが、音域を広げるとは、「吹けるけど少しきつい高めの音」を「楽に吹ける普通の音」にしていくことなので、これが最も効率的な練習です。反対に、無理やり高音を出すことは脱力と対極の行動ですので、合奏や本番など以外では極力控えましょう。

上方向のロングトーンが終わったら下方向のロングトーンもやるとよいですが、下は脱力がより簡単にできますので、上ほど慎重に丁寧に進める必要はないです。